
城西バトルロワイヤル
6 田中's
――――ぁ? いまなんて言った?
「やる気はあるんか」
だと? そんなもの無いに決まっている!!
しかし智は口を動かさなかった。もとい動かせなかった。
恐怖や重圧が智の口を封じてしまった。
修史はその重圧やらに強いのか、平然と話を続けて
「俺は無いぞ。だけどそっちがやる気ならこっちもやるぞ。」
銃口をブラさずに目線は常に2人が視界に入るように問いただしてきた。
「どうなんだ?」
「んなっ、無いよ無いよそんな殺し合うなんて!」
田中優太は慌てて、というかいかにも必死な様子で弁解する。
俺もそんな気毛頭ない。
口が全く動かない、見えないガムテープで口を封じられたように微動だにしなかった。
田中優太も次第にこっちに銃を向けてくる・・・
二人に狙われる形になった。
―――!!ヤバイ!コレはヤバイ!はやくやる気は無いんだと言わなければ!だけど口が動かない!!体が動かない!!
「智君はやる気があるんだね?―――どっちよ?」
「――――!!」
力いっぱい答えた。
しかしそれは。
バァァァァン――――!!
その場のドでかい音にかき消された。
誰も引き金を引いていない。
誰も動いていない。
しかし音の発信源は田中智の方向だった。
「―――!!!」
誰かがどう叫んだかわからない。
しかし田中智は背中に強烈な悪寒を感じ、修史ら二人の方向へ駆け出した。
バァァン―!!!
―――またも銃声。すぐ近くの上に、走り抜けた斜め後ろの地面が抉れた。
「こっちだ!!」
田中修史が声を上げる。
3人は凸っている岩に隠れた。
「言っておくが俺は殺し合いする気は無いぞ。」
言えた――今更言えてもなあ。
「今更言っても遅いよ。」
ごもっともですよ。
「しかし――誰が撃ってきたんだ?当たらないことが幸いだけど、いきなりは無いだろよぁっっ!!」
セリフを読んでいる途中にも関わらずセリフに干渉してくる銃弾。
田中修史が岩から少し身を乗り出して銃を銃声がした方向へ向ける・・・田中優太も慌てて後ろに下がり銃を構える。
3人で茂みを凝視する。
―――茂みの奥から出てきたのはずっしりとしたデザートイーグルを構えて少し小太りな男が出てきた。
その小太りな男に面識があった田中智は
「うぉぉい フジヨシ!!」
思わず身を乗り出して叫んでしまった。
瞬間銃弾が放たれた。
銃弾はどこにも当たらなかったが相手が有無を言わさずヌッ殺す感は良く伝わってきた。
藤吉(三十三番)はこっちの弾が当たらないという自信を持っているようでゆっくり歩きつづけている。
哲がとりあえずやめろと呼びかける。
「うるさい!!黙れ!!」
躊躇なく撃ってくる腕はまさに素人でかすりもしないがその目は学校で見るものとはまるで違っていた。有無を言わさずヌッ殺す感とか。 うん、そんな目で。
「とりあえず散るぞ!」
危機を感じた田中修史が号令を掛けると3人はバラバラになり藤吉から離れた。
しかし3人がバラバラになり全員が藤吉に銃を向けても平然としている。
「俺はこの島でてめぇらにフクシュウする!!」
―それは狂気なのだろうか。
藤吉が憎しみに満ちた声で叫んだ。
―それとも計算の内なのだろうか。
「なんでだ!!!そんな事するウラミは買ってないはずだ!!」
智が叫ぶ。
―それは、脳がリミッターを外した様に、
「日頃イジメられた時のウラミだ!!!」
―本能のままに、思うがままに、目の色を変えて。
ジュチッ!!
「痛っ!」
田中智の腕を弾が掠めた。
撃たれた腕は皮膚が剥がれ少し出血が酷かった。
実際あんま痛くなかったがそんなわけでもなさそうで、なぜか怒りが湧いてきた。
心の狭い男め、てか俺イジめてねえし。しらねえし。
「やろぉっ!!」そう言い放ち、引き絞った。
矢は藤吉の上腹部に突き刺さり、その腹を赤く染めていく。
しかし藤吉は倒れず、震えながらもしっかりと田中智に目を向け、銃口をこちらに向けて、全身の血の気が引き何度目かの銃声がが響いた。
そして藤吉の体が弾け藤吉は倒れた。
藤吉が倒れてる姿を呆然と見ている俺に修史が掛けより声を掛ける。
「危なかったな――ははっ、しっかし俺もとうとう人殺ししちまった」
苦笑い修史は俯く。
どうやら修史が藤吉を撃ったらしい
「しょうがないよ、修史くんがいなきゃ哲君は今ごろ死んでいたしねっ」
優太だ。てめーいつの間に出てきたんだ。
「ありがとな、貸しが出来た」
「ま、いいってことよ。それより藤吉から武器取っとこうぜあの銃は使えそうだしな」
藤吉に手を合わせバックの中の食料と銃(デザートイーグル)を取った。勇気があると思う。
「さて 今からどうする?」
「んー、じゃあ たかちゅうが言ったようにまずは安全なとこへ行ってその傷の手当てをしよう」
二の腕から血が滴り落ちている。
ぁそうだ俺怪我してたんだー。
そして3人は山を下る。
三十三番 藤吉 野師 死亡
―――残り62人
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